ダンスパフォーマンス『蝶々夫人』再演の決定!!
2024年5月28日ダンスブリッジ「蝶々夫人」歌劇 蝶々夫人より
2024年11月9日
名取試験合格25人目の名取誕生を祝って、試験科目の長唄「松の緑」の歌詞を再度チェックしておきましょう。
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〽️今年より 千たび迎ふる春ごとに なおも深めに 松の緑か禿の名ある」
今、この時より、千たび(毎年)春を迎えるごとに、松の葉の緑は深まっていきます。
吉原の禿の名前にもあるように、まだ若い二葉に、太夫の風格が現れているようです。
松の位の太夫が外八文字※①をふむと、その蹴出しがぱらぱらと靡いています。その蹴出し褄は、松の根上り※②に良く似ています。
「一つ囲ひの籬」とは、遊郭で見世(みせ)と入り口の落ち間とのあいだにある格子戸のことで、そこから漏るる廓は根引き※③の別世界です。
「世々の誠と表裏~」とは、廓とは、世間の誠が嘘となるような世界。
「比べごしなる筒井筒 振分け髪もいつしかに※④老いとなるまで末広を」髪の長さを比べ合っていた幼い頃から、いつか大人になって、共に白髪となるまで、長寿を全うすることこそ、目出度いことです。
「開き初めたる 名こそ祝せめ」名披露目をした私の娘の前途も、そのように目出度いものでありますように。
そして襲名おめでとうの意味も込められています。
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※①「外八文字」とは、お茶屋からの呼び出しで座敷に出かける花魁道中での太夫の歩き方をさしています。
※②松の値上がりとは、松の根っこが土から盛り上がっている様を表します。
※③「根引き」とは身請けの意味もあります。
※④このくだりは、伊勢物語の『筒井筒』の部分を引用しています。「くらべこし 振り分け髪も 肩過ぎぬ 君ならずして 誰か上ぐべき」