日本舞踊の越境旅
芸術文化振興基金 助成
構成 演出 振付 坂東扇菊
振付 近藤良平
音楽 平岩佐和子
3回にわたり実施しました「坂東扇菊オーディションワークショップ」は、たくさんのダンサーの参加を得て、多ジャンルのダンスの融合する坂東扇菊版『蝶々夫人』プロジェクトは、セッションハウス企画室主催の「ダンスブリッジ」公演の一環として行われました。
初めての方と創りたいという振付家の意思を”架ける橋”とするダンスブリッジに延べ人数30人を超える受講者の中から、坂東扇菊が実技、アンケートなどを参考に選出、9名のダンサーを決定、それに初演メンバー6名が加わり、リハーサルが始まりました。
絹の着物か ら、襦袢に至るまで、立ち振る舞いから、目線の落としどころまで、全てのことが初めての段階から始まりました。バレエやコンテンポラリーダンスの方は、着物で踊るなど考えた こともない!日本舞踊の方は、プッチーニの音楽で踊るなんて!? と、いうところからの出発でした。
この舞台には、いろいろなジャンルの蝶々夫人が登場。一人の蝶々夫人の4つの心情の視覚化。複数の兵士や芸者、蝶々夫人を取り巻く様々な人々により、時代背景を増幅、なぜ か懐かしい明治という時代の一片を感じていただけるよう。また、時間のながれのなかで 変容する人間の心理に焦点をあて、それを仕草という日本舞踊の特質で、抽象にならずに、みせていくところに主眼をおきました。 舞踊と演劇が融合したダンスシアターであること。時間のながれのなかで変容する人間の心理。百の言葉より、一つの仕草が、心を打つときがある。私は、言葉では伝えきれない感情を、体で表現することは、どのジャンルも同じことだと確信し、作品がブレないよう、感情の視覚化を目指しました。
ダンスカンパニー コンドルズのメンバーや、マドモアゼルシネマのダンサーが加わり、さらに越境感が高まりました。
2日間、3回の公演チケットは完売、キャンセル待ちという反響の中、みなさまのお陰で無事に幕を下ろすことができました。終演後には、web配信も決まり、越境旅は終わりました。