ダンスブリッジ「蝶々夫人」歌劇 蝶々夫人より
2024年11月9日
作詞 不詳、作曲 九世杵屋六左衛門、
文化6年江戸中村座に於いて、五変化「邯鄲園菊蝶」として初演されました。
原作は“奴の小万”を意識したものでしたが、現在では、吉原仲之町を背景に、
江戸の※女伊達が、大坂の男伊達を相手に気風の良さを見せます。
吉原の風俗を綴った歌詞に合わせて、助六を気取った女伊達が切れのいい踊り展開していく趣向になっています。
〽はなの吾妻やこころも吉原 助六流の男伊達」と唄い、名だたる侠客(黒舟右衛門、荒五郎、金神長五郎)の名前を並べ、更に江戸と大坂の対比を出しています。
最後の件では、
〽只世の中はゆめのい ち…華やかなりけるしだいなり」と唄い、傘を使った華やかな※所作ダテで幕となります。
※女伊達とは義侠心に富んだ女侠客のことで、現代では馴染みのない言葉ですが、強きを挫き、弱きを助ける※渡世人のことを侠客(きょうかく)と言います。日本では、江戸時代中期に、喧嘩賭博を渡世とし、親分・子分の関係で結ばれていた遊び人を侠客と呼ぶようになりました。
※渡世人(とせいにん)とは、商売往来に載っていない稼業によって世わたりする無職の人のことを指し、また「渡世」という言葉には、江戸時代では「生活」という意味があり、通常の商売などに従事しないで生活を送る者を「渡世人」と呼んでいました。
※所作立て(しょさだて)とは、歌舞伎の立廻りのうち、音楽に乗って舞踊的に進行するものです。立廻りよりもゆったりとした流麗な動きが特徴で、せりふ劇中の立回りよりも様式化されています。
2024年8月24日
浅草公会堂
「扇の会」にて
弟子の坂東扇輔、扇弘がからみを務め、共に出演しました。