坂東流の歴代家元がお得意とされていた「喜撰」を長唄と清元の掛合いでいたします。
その喜撰法師、春風駘蕩とでも言うのでしょうか、お人柄を表すのは、至難の業です。
このように高貴なお坊さんと天下の美女小野小町を俗世にひっぱっり降ろしてw、色恋沙汰を演じます。 アレ、喜撰のお相手役は、小野小町じゃなくて、お梶さんではないの?とお思いでしょうが、登場は、被衣を被り、小野小町を連想させ、喜撰法師がこれを取り、茶汲み女のお梶になります。
さて、この踊りの成立ちですが、 『六歌仙』の内の一幕で、初演は二世中村芝翫(四世中村歌右衛門)が五役を踊り分け、岩井粂三郎(六世岩井半四郎)が小野小町(お梶)を演じました。 『六歌仙』と銘打っていますが、演目は五段で、小野小町は各演目で相手役として登場しますので、5つの演目となっています。 歌詞の説明をしたいと思います。 [この歌川国芳の六歌仙の浮世絵は演劇博物館所蔵]